みぎのほっぺに冬の夜

Träume sind Schäume.

心臓の裏側にきみを隠しても世界はきみのオレンジに染まる

ずっと恐れていて、どうにか目を背けてきた可能性がついに現実として眼前に迫っている。わたしは「最悪の事態」というものを考えるのがどうにも苦手で、できれば最良の可能性しか考えたくない。最悪の事態を想定してそれのための建設的な準備をしたら、むしろそれが現実になってしまうのではないか、という非常に建設的でない思想を持っている。考えることを避けてきたので、自分がこの事態を迎えた時どういう感情になるかも想像したことがなかった。想像したことはなかったけれど、過去の経験から茫然自失になるだろうことは予測できた。

とりあえず今現在、27日に発表されたマリウスの卒業によってわたしは茫然自失にはなっていない。いつでも怒涛の勢いでドデカい愛を投げ放ってくれるセクシーゾーンがこちらを茫然自失にさせる暇を与えてくれない。こんなことってあるかよ。

 

思えばセクシーゾーンはいつだって言葉を尽くしてこちらに向き合ってくれるアイドルだった。

FC動画は、見なくたってわかる、彼らが誠実な話し合いを何度も何度も重ねて、お互いを尊重して愛して相互理解のために最大限力を尽くした上で今ここにいて、そこにはお互いへの愛しかないということを。考えに考え抜かれた末の愛の帰結だということがわかる。それがわかるだけの言葉を尽くすことをセクシーゾーンが厭うことは一度もなかった。わかりきっているし信じきっているからこそ優しくてつらくて悲しくて大好きでどうすればいいのかわからない。

こういう時はやっぱり長男の顔になる健人、いつだって言葉の正解がわからなくなれば風磨くんと答え合わせをするマリ、どんな時も過不足なくマリの言葉を補足する風磨くん、誰よりもマリに寄り添って笑顔で促す聡ちゃん、キャットファイトばかりするのに最終的にはいつでもお兄ちゃんでいてくれる勝利、こんなにも、こんなにも彼らは5人で。こんなにも完璧で美しく満ち足りていて、こんなにも5人であるということも同時に見せつけられるFC動画。ずっとこれが見たくて。

からの怒涛のインスタライブ。涙がアホほど出ているのに健人は今日も「5万人行くまで何も喋らないってどう?」とか言っているわけで、死ぬほど愛しているわけで…。こちらはこんなにも悲嘆に暮れる準備ができているというのに、通常運転のセクシークソ茶番ゾーンが情緒を笑顔でぶん殴ってくる。嵐のように来て大暴れして嵐のように去っていったセクシーゾーンのせいで(おかげで)もうどうしたらいいのかわからない。幸福すぎて。セクシーゾーンって本当に幸せで大好きでこの世の愉快と光全てで。もうどうしたらいいの、という感じで途中だったFC動画に戻る。

その中で、風磨くんが、寂しいと言ってくれたこと、4人で完パケでやっていきますじゃなくて、今までもそうだったように、マリの不在を感じる瞬間は来年からもたくさんあると思う、それでいい、と言ってくれたことが、何よりもこの人を好きになったことの答え合わせみたいで、CRYで、Dreamで、コンサートを終わらせた人だ、と思った。この言葉がわたしにとっては一番の救いで、今まで色んな形でこういうことを経験しても一番つらかったのが、今を完パケとすることは過去に愛したものを否定することになり、しかし過去を完パケとすると今の彼らを否定することになる、という構図で、それが本当につらくて嫌だったので、不在を思う感情を当人が肯定してくれたことによって迷路になるはずだったものが掬い上げられたし、未来のわたしも救ってくれた。この完パケ、って表現もめちゃくちゃ風磨くんらしくて好きだなと思う。

そして夢の東京ドーム、5人の東京ドーム、5人のSexy Zone、5人のSexy Zone(曲)……………。わたしでも想像に難くない、無観客の5人の東京ドーム公演を叶えるために、メンバーはもちろん、彼らの周囲のセクシースタッフたちがどれだけ頑張ってくれたかと思うと、泣いてばかりではいられないなと思った。すごいことだ。

嵐の休止発表以来、ジャニーズのオタクを続ける上で自分の精神をずっと根底で支えてくれているのは、「人は悲しいままでも怒ったり怖がったりできる。だから悲しいまま楽しくもなれる。ずっと悲しいままでいいから、同時に他の感情がないかもっと探ってみろ」という、健人が出演した24時間テレビ石ノ森章太郎物語のセリフなので、寂しくてでも大好きでどうしようもない気持ちと、5人のセクシーゾーンが見られて心底うれしい気持ちと、両方に真正面から向き合ってみようと思う。「ずっと悲しいままでいい」という肯定はわたしにとって救いで、それと合わせて風磨くんの言葉のコンボが効いた。

寂しくて切ないのに絶望は消えて心は温かくて、セクシーゾーンがいつだって真摯で、真面目で、聡明で、健やかで、美しいことを、こんな時でも強く強く実感して、それに救われていることが、幸福で、寂しい。届けてくれる言葉に一本筋が通っていること、5人がお互いを尊重し話し合う様子が目に浮かぶくらい彼らの信頼関係を信じていること、何よりマリの夢が、「日本の皆を笑顔にしたい」と11歳で来日した時から方向性が何も変わっていないこと、が、自分自身の心との落ち着いた対話を可能にさせてくれている。絶望は消えた。消えたのに、ふとした瞬間にぽろぽろ目から水が出る、なんだこれ。

そして夜のインスタライブ。もう大暴れ。やっぱりこのクソ強シンメふまけん!!とクソ強シンメ聡マリ!!に挟まれる永遠の0番勝利!!の宇宙で一番完璧な五角形が大好きなんだよな〜…。シクシク…などと…。

 

実際わたしがファンとして5人でいる彼らを見られた期間ってものすごく短かったのだけど(直接は一回もない)、でも折に触れて彼ら自身が「俺たちって5人なんだよ!」って何度も何度もうれしそうに教えてくれて、だから5人を大好きになって、そしてそれはきっと2023年1月1日以降も続いていくのだと思う。

マリウスからの言葉は、全部ぜんぶ最高で最強でマリウスそのものなんだけれど、なによりも力強く、憶測を招く余地なく、「アイドルになったことを後悔したことは一度もありません。」と言い切って書き残してくれたことで、なんだか全てが許された気がした。

 

これからも彼らは共に歩幅を合わせて歩むのだと、こんなにもわかるし、こんなにも幸福なのに、それでもなおこんなにも寂しい。わたしたちだって今までもこれからもマリに恥じない日々を送るよう努めていくけれど、世界の方だってマリに恥じない世界であってくれよなと思う。

とりあえず今現在12月29日はそんなところですが、セクシーたちは今後も大暴れするみたいなので、大笑いしながら年越しを迎える可能性だって大いにあるところが、セクシーゾーンのすごいところで、愛するところだよ。